DAYS JAPANの創刊号(2004年4月)。創刊のことばを見ると、イラク戦争で自衛隊が派遣されたと書かれています。
表紙には「人々の意志が戦争を止める日が必ず来る」
ちょっといろいろ思い出したので、こっ恥ずかしめな文章になりそうですが、書いておきます。非常にどうでもいい話です。ブログに載せるような話ではないかもしれないけど、晒しておきます。
イラク戦争が始まったのが2003年3月。その頃、東京でもデモがありました。そのとき、初めてデモに参加して、日比谷や渋谷などを歩きました。
車道を歩きながら、歩道を眺めると、いつも見ている街や人が違うように見えたことを覚えています。「なんだか知らないけど、何だかんだで、みんな生きてるんだなあ」と思いました。
それ以前、90年代後半の学生時代は、自分のことだけ考えて、のほほんと過ごしていて、我ながら情けなくなるぐらい社会に無関心でした。それでも選挙にだけは「俺も大人だから」と思いながら、一丁前に行ったりしていました。そんな調子だったので、東京都民になったときの知事選で、石原慎太郎に投票しました。あの都知事誕生に荷担したと思うと、もう死にたいぐらいです(死にませんけど)。こんな黒歴史を持っているので「近頃の若者は……」とは絶対に言わないと決めています。
そんな脳天気な若者が、20世紀の終わり頃、社会(というか会社)に出てから、いろいろ悩み、悶々としながら、社会のことを少しずつ考えるようになりました。
何がきっかけで手に取ったのか覚えていませんが、「成長の限界」やレイチェル・カーソンの「沈黙の春」などを読みはじめ、環境問題の本を読み漁るまではいかないまでも、けっこう読みました。
ジャーナリスト斎藤茂男さんのルポルタージュなどを読みたくて、日本の社会問題についての本を借りに図書館に通っておりました。
大阪の女芸人(?)が上野千鶴子にケンカを学んだと聞けば、上野千鶴子や小倉千加子の著書(B面の難くないほう)を揃え、時にはその話芸にも親しむようになりました。
グローバリズム!と聞けば、スティグリッツ教授の本を読み、わかったような顔をして、「IMFが云々」とブログを書き散らかしていました。
森達也のA、A2を見て、頭がおかしいに違いないと思っていたオウム信者たちが、僕ら、いえ、「僕ら」というと「一緒にするな、私は違う」という人もいると思うので、「僕」とは変わらない普通の人だと言うことも知りました。森達也が僕と同じように逡巡しまくっていることも(なので、好きです、森達也)。
NPOなどを知ったのもこんな頃か。(まだ10年しか経っていない)
そんなこんなしているうちに、2001年9月11日、飛行機がビルに突っこむ映像を見ることになります。
(※記憶が極めて曖昧なので、上に列記した事柄は、911以降のこともあるはず。この文章全体的に時系列っぽく書いてますが、たぶんめちゃくちゃ)
なんのこっちゃ?と訳がわからなかったのですが、何か大変なことになるんだろうなあと、相変わらずマヌケ面して、TVを見ていました。
オサマ・ビン・ラディンという髭面がボスのアルカイーダという(テロル)組織が犯人だ!とされ、米軍がアフガニスタンに入り、ブッシュが「axis of evil」と演説する、といったTV報道を見ていると、ちょっとした映画を観ているような気持ちにもなりました。スタンスは基本的に平和ボケなので、報復してもテロルは止められないし、また次の911を引き起こすだけと思っていたのですが、ただTVのコメンテーターたちの発言にヤジを飛ばし、ブログやmixi日記に「ブッシュはアホ」と書いている程度でした。
そして、2003年3月、イラクへの攻撃が始まりそうという段階で、「うーん、これは納得できない」と思っていて、冒頭に書いたデモに参加することになります。デモは日本でも近年にはなかったような規模になったようですが、攻撃は始まってしまいます。世界の人々が、何万、何十万人集まって、デモやっても、アメリカや日本の政府にとっては、蚊に刺されたよりも痒くないんじゃないか。正義ってなんだろう? 民主主義って何だろう?とますます考えるようになりました。20代も半ばを過ぎていて、この程度ですので、なかなかキケンです。
でも、とりあえず、憲法とは何ぞやとか、選挙の仕組みとか、政府の仕組みとか、近現代史とか、NHK時代の池上彰が書いた本なども読みました。だいたい中学校で習っているようなことなんですけど(下手したら小学校で)、よくわかってなかった。
憲法って、僕が守るルールじゃなくて、国(政府)に守らせるためのルールだったんだ!と気が付いたのも、そんな頃だったと思います。ホントにアホすぎる……。小学校の高学年かで、日本国憲法前文を暗唱できるように覚えさせられたけど(日本国憲法前文の歌とかあった)、全然意味をわかってなかったのですわ。憲法草案に「国民の義務は…」とたくさん盛り込んでいる自民党のセンセー方と同じだったんです。
これまでの流れだと本ばっかり読んでることになってますけど、たぶん、そんなに読んでないです。ただ、圧倒的に知らないことだらけでまずいなと(今もですが)、講演会などにも行きましたし、NPOの活動などにも参加したりもしています。
それから時は流れ、イラクの戦争や世界で様々な出来事の報道が減り(=世間的な関心も減る)、個人的にも地道な地域での活動が大切だと思い、海外や世界規模の問題などへのアンテナが下がってきました。
そんなこんなでまたしばらくボヤボヤしているうちに、DAYS JAPANの写真展に関わることになり、311がありで、今に至り、またいろいろ思うところが出てきたのであります。
まとまらない話になってきて、筆も進まないので、とりあえず振り返り話はここまで。
オチもなく、たまたま読んじゃった人にはつまらない話だろうなあと思いますが。自分としては初心みたいなものを振り返る良い機会にもなったかなと。
この文章は写真展の始まりに書き始めたのですが、もう明日2011年12月16日で写真展は終わりです。
写真展の企画でも実現できなかったこと、写真展の中で気づいたこと、さらにモヤモヤしたことなどありますので、また今後の仕事や暮らしに繋げたいと思います。